城守さん、そして恩師のブログには早々に記事が上がっておりましたが…
拠点づくりとして始めた郷土館のリニューアルもひと段落ついて、
新しいプロジェクトを始めました。憩いの場づくりです。
宇和島城の魅力の一つに豊かな緑があります。
大目付が大好きな文言なのですが、
明治23年の宇和島城の払い下げにかかる
8代藩主宗城公の嘆願書に以下のような言葉があります。
家祖開興の旧蹟に係り 古木鬱蒼頗る幽致を為し 永久保存可致勝区に候
意訳すると、こんな感じでしょうか?
城山は先祖のゆかりある場所で、古木が鬱蒼 と茂り景色もよく、
永久に保存しなければならない、すばらしい場所だ
この宗城の言葉がなければ、
宇和島城は今のような姿ではなかったかもしれません。
戦前には、城山の自然は植物学者にも高い評価をされているほどです。
ただ、一方で、江戸時代の際には手入れされていたところも、
手入れが行き届かなくなってしまっている現状もあります。
緑と石垣など遺構のより良いコラボをめざして、
モデルの場所として選んだのが、長門丸(児童公園)下の広場です。
城内ではその直線距離が60mと最長を計る、法面の美しい石垣があります。
宇和島城が臨海していたころは、海上からその美しい姿が見えていたかもしれません。
そして、目通りが3m、高さ20mを超える城内最大クラスのクスの大木がそびえています。
宗城公が城山にクスをお手植えしたという記録もあり、
その大きさから、ひょっとしたらその時の…かもです。
また、城内では珍しい中世山城時代の曲輪の面影も色濃く残っていて、
景色や歴史性に非常に長けた場所で、本城の魅力満載の場所なのです。
ただ、ちょっと鬱蒼としすぎていて、
これらの魅力にほとんどの人は気づかす、通り過ぎてしまいます…
そこで、城守さんたちと一緒に植生の手入れをして、
石垣と草木に囲まれた、宇和島城の新しい憩いの場を作ることにしたのです。
≫次回へ続く
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