2011年7月17日日曜日

憩いの場づくり1 2011.07.03 その1

城守さん、そして恩師のブログには早々に記事が上がっておりましたが…

拠点づくりとして始めた郷土館のリニューアルもひと段落ついて、
新しいプロジェクトを始めました。憩いの場づくりです。

宇和島城の魅力の一つに豊かな緑があります。
大目付が大好きな文言なのですが、
明治23年の宇和島城の払い下げにかかる
8代藩主宗城公の嘆願書に以下のような言葉があります。

家祖開興の旧蹟に係り 古木鬱蒼頗る幽致を為し 永久保存可致勝区に候

意訳すると、こんな感じでしょうか?
城山は先祖のゆかりある場所で、古木が鬱蒼 と茂り景色もよく、
永久に保存しなければならない、すばらしい場所だ

この宗城の言葉がなければ、
宇和島城は今のような姿ではなかったかもしれません。
戦前には、城山の自然は植物学者にも高い評価をされているほどです。

ただ、一方で、江戸時代の際には手入れされていたところも、
手入れが行き届かなくなってしまっている現状もあります。
緑と石垣など遺構のより良いコラボをめざして、
モデルの場所として選んだのが、長門丸(児童公園)下の広場です。

城内ではその直線距離が60mと最長を計る、法面の美しい石垣があります。
宇和島城が臨海していたころは、海上からその美しい姿が見えていたかもしれません。


そして、目通りが3m、高さ20mを超える城内最大クラスのクスの大木がそびえています。
宗城公が城山にクスをお手植えしたという記録もあり、
その大きさから、ひょっとしたらその時の…かもです。


また、城内では珍しい中世山城時代の曲輪の面影も色濃く残っていて、
景色や歴史性に非常に長けた場所で、本城の魅力満載の場所なのです。

ただ、ちょっと鬱蒼としすぎていて、
これらの魅力にほとんどの人は気づかす、通り過ぎてしまいます…
そこで、城守さんたちと一緒に植生の手入れをして、
石垣と草木に囲まれた、宇和島城の新しい憩いの場を作ることにしたのです。

≫次回へ続く

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